『Steve JobsⅠ』と自分 Part7
〈読書記録 第7章〉
この章では具体的に、そしてどこか現実味を帯びたジョブズとブレナンのお互いの付き合い方について書かれていた。
当時付き合ったり別れたりを5年続けていた。
その時の状況についてブレナンは
どうしたら一緒に居続けられるかもわからなければ、どうしたら別れられるかもわからない
と語っていたという。
当時のブレナンの複雑な心情が非常によくわかる文だと私は思った。
そんな日々が続いているなかでブレナンは妊娠した。
身ごもったブレナン側の心情はこう描かれていた。
いまもくっついたり離れたりの状況で、どうしたらいいかわからないのよ
それに対してジョブズ側の心情を友人であるカルホーンはこう語る
スティーブは、クリスアンとも彼女の妊娠とも向き合っていませんでした。
悩み事に直面したくないとき、ジョブズはさらっと無視したり、可能な場合にはなかったことにもする。彼が歪曲するのは他人の現実だけでなく自分の現実もだという。
ジョブズは、ブレナンが他の男とも寝ていたと知っていたのもあり、自分の子供ではないと主張したが、一方のブレナンはかれかれの子供だと確信していたという。
この争いは裁判沙汰になり、DNA鑑定が行われ、94.4%ジョブズの子だと判定されるが、ジョブズは否定し続けた。
責任から逃げ続けたジョブズだったが、このことは後に深く反省したという。
それから彼は、大人へと成長していった。
『Steve JobsⅠ』と自分part6
<読書記録 第6章>
前回の章ではアップルⅠの完成の経緯と会社の興隆についての話だったが、今回はその続きでアップルⅡについてが語られている。
アップルⅡの作成のきっかけとなったのは、ジョブズのある考え方である。
組み立て式コンピュータがほしい人が1人だとしたら、すぐに使えるマシンならほしい人は1000人いるはずだ
そう、アップルⅠとの違いはアップルⅡはすべてが最初からそろったパッケージであるという点である。
見た目が乏しく、シャワーにも一週間に一度しか入っていなかったジョブズが売り込みでほかの企業に尋ねた時は何度蔑まれたかわからない。
しかしそれでも会社が少しずつ起軌道に乗り始めたとき、ウォズの父であるジェリー・ウォズニアックは儲けの取り分について、
などとジョブズに投げかけ、ジョブズは泣き出してしまった。(彼は感情コントロールが苦手ですぐに泣いたという。)
しかし、ウォズは父とは違い、共利共生の関係であることを理解していたため、パートナーとしてこれからもやっていくことを決意する。
会社が会社らしくなってきて、従業員も10人ほどになった。事務所も借りたという。
しかし会社が軌道に乗ってもジョブズは子供のままだったという。
高飛車で怒りっぽく、すぐに従業員に当たっていた。
この頃からウォズはジョブズの仕事スタイルが気になり始めており、こう語っている。
スティーブは回りに厳しすぎだと思う。僕は、会社とは家族のようなもので、みんなで楽しみ。作ったものをみんなで共有する場所であってほしかった。
一方でジョブズもウォズのことが子供っぽいと思っていた。
性格の不一致が表面化してきたが、それ以上に会社の成長がすさまじく、アップルⅡは16年間で600万台を販売し、コンピューター産業を興し立てた。
『Steve JobsI』と自分part5
〈読書記録 第5章〉
この章では遂に今我々が街やテレビ、Web上で頻繁に目にするAppleの第一歩が踏み出される。
その前に設立にあたり、どういった経緯があったのかのバックグラウンドについて語られていた。
1960年代のシリコンバレーでは、あらゆる文化が混じる中、技術革命が始まり、その後すぐにエレクトロニクス企業やマイクロチップメーカーなどが加わる中で、ハッカーのサブカルチャーも賑わった。
そのハッカー達は、中央集権の権化だと蔑まれたコンピューターを受け入れ、飛躍の道具にしようとし、これは後に私たちの現代へと通じている。
ホーム・ブリュー・コンピューター・クラブ
この会合はパーソナルコンピューター時代の様々なアイデアの交換の場であった。
マイクロソフト創設のビルゲイツやポールアレンも参加したこの会合に、アレンの誘いで参加したウォズはこう語る
あの夜は僕の人生でも有数の大事な夜になったよ
ウォズはその夜、
キーボードとモニターを持ち、少し遠くのコンピューターに接続する仕組みを考えつき、2ヶ月後…
1975年6月29日
この日はパーソナルコンピューターにとって大きな一歩が記された。
この日、初めてキーボードから入力し、それが目の前のスクリーンに表示された。
ジョブズはそれに感動し、あちこち電話して企業から高価なパーツを提供してもらった。
それについてウォズは
スティーブって男はああいうことができちゃうんだ。販売責任者との話がうまい。僕にアレはできない。内気すぎてね。
と語る。
ウォズはこの回路を無償で提供しようと考えていたのだが、ジョブズは違った。
プリント基板を作って販売しよう
こういうのである。
持ちつ持たれつな関係である2人だが、ウォズが語る次の文はソレを物語っている。
僕がすごいものを設計するたび、それでお金を儲ける方法をスティーブが見つけてくれるんだ。
さぁここで遂にAppleが誕生する。
様々な案から決められたAppleという名前はシンプルで親しみやすく、ありふれていながらちょっと変わった感じがする上、アメリカ的で自然回帰というカウンターカルチャーの風味を備えた見事なネーミングである。
さぁ次章から遂にAppleが動き出す。
『Steve JobsI』と自分part4
〈読書記録 第4章〉
インドの田舎にいる人々は僕らのように知力で生きているのではなく、直感で生きている。彼らの直感は世界一で、知力よりもパワフルである。インドの田舎で7ヶ月過ごしたおかげで、僕は西洋世界と合理的思考の親和性も、そして西洋世界のおかしなところも見えるようになった。
彼を信じれば色々なことができるわ。こうなるべきだと思えば彼はそれを現実にしてしまうのだから。
『Steve JobsⅠ』と自分part3
〈読書記録 第3章〉
この章では、前半にジョブズの初ガールフレンドの話、後半に大学に進学してからの話が綴られている。
ホームステッド・ハイスクールの卒業が近づいた春、彼は1歳年下のクリスアン・ブレナンと付き合う。
馴れ初めなどは置いておいて、彼女は彼の事を
「スティーブはかなりおかしかった」
と語っている。
彼はこの頃ベジタリアンとして生きているし、
麦畑でLSD(ドラッグ)をやるし、
彼女と同棲を親の反対を押し切ってやるし、
彼の行動量はどこから湧いているのか…
しかしpart1(下記リンク)では僕のためになるかはわからないと書いたが、徐々にこのスティーブ・ジョブズに惹かれ始めている自分がいる。
『Steve JobsⅠ』と自分part1 - BookstorY by HotarU
後半の話に入る。
彼が進学先に選んだのは、親に言われたウォズのいるバークレー大学や、奨学金などの補助があるスタンフォード大学でもなく、リード大学だったという。
この大学は学費が高くて有名だったが、親の反対を押し切って進学した。
彼は大学で禅に打ち込んだ。
仏教の考え方に影響を受けたジョブズはのちにこう語っている。
「抽象的思考や論理的分析よりも直感的な理解や意識の方が重要だ」
そしてもうひとつ、LSDにも没頭した。
LSDについて彼は歳を重ねてからも称賛しており、こんなことを語っている。
と。
こうして彼の大學生活は今後のキャリアに大きな影響を及ぼし、もし何かが起きなかったり違う選択をしていたりすると、今日の我々はiPhoneを手にしていなかったかもしれないということを思うと、運命とはかくも素晴らしいものだと思う。
『Steve JobsⅠ』と自分part2
〈読書記録 第2章〉
第2章は、アップル社創業者のもう一人である
スティーブ・ウォズニアック(通称:ウォズ)
との出会いが書かれている。
彼はジョブズと同じく天才であったが、彼とは違って大望を嫌う傾向にあった。
だがその一方で共通点もたくさんあったようだ。
- イタズラ好きなところ
- 幼くしてエレクトロニクスに興味を示していたこと
- 父親を尊敬していたところ
- 音楽の趣味
そして、ウォズの方がジョブズより年上だったが、ウォズは子供っぽく、逆にジョブズは大人っぽいことがハマリ、以後40年以上の付き合いになったという。
彼らが知り合ってからのとある日曜日、
ウォズの天才的なアイデアで、これまでアナログ式しか存在していなかったブルーボックス(長距離電話がタダでできる装置)のデジタル式を完成させた。
ジョブズはこう語る。
「これほど誇りに思う回路は他にない…あれはすごかったって今でも思うよ」
そしてその装置を大学の寮の学生に見せて回り、100台ほど作り、ほぼすべて売りさばいたという。
40ドルでつくり150ドルで売った。
この章の最後はこう締めくくられている。
ウォズはお人よしの魔法使いだ。かっこいいものを発明し、その成果は気軽に他人へ渡してしまう。ジョブズはそれをユーザーフレンドリーにする、パッケージにまとめる、マーケティングする、そして利益を上げる方法を思いつくのである。
これぞ今日まで全世界のスマートフォン界を牽引し続けるアップル社の原点であると思う。
ではまた。
『Steve JobsⅠ』と自分part1
こんにちは。Hotaruです。
今日から大体週一のペースでブログを更新していこうと思う。
読み始めたのはウォルター・アイザックソン氏により書かれた「Steve Jobs Ⅰ」という、(タイトル通りで言うまでもないが)アップル社の共同創業者の一人、スティーブ・ジョブズ氏の全21章構成の伝記である。
以下この本を読んだ記録である。
〈読書記録 第1章〉
第1章では、彼が生まれて間もなくして、両親の都合で養子に出され、別の親によって選ばれたというところから描かれている。
彼の人柄として耳にするものとして
- 彼は完璧主義者である
- 全てをコントロールしたがる
- 反射的にひどいことをしてしまう
というものがあるが、どうやらこれらの性格はその生い立ちが関係しているらしい。
彼は5歳の時、シリコンバレーに引っ越すのだが、彼はそこで様々な刺激を受けた。最初は機械工である父親を尊敬、そして家具屋や半導体の会社を尊敬していく。沢山の刺激を受けてきたが、のちに彼は自分の父よりも自分の方が頭がいいということに気が付く。そのことに両親も気付くのだが、両親も全力で彼をサポートしていく。
僕自身幸いなことに両親に捨てられた経験はないが、人間生い立ちはその後の人格形成に大きな影響を及ぼすものだと感じた。彼の強みはその生い立ちを良いように捉え、自分は特別なんだと考えながら人生の歩を進められたことだと感じた。
彼は天才である。
努力をしたのちに偉業を成し遂げることや、人々を救うための行いが伝説となることはよくある話だが、彼はそもそも天才だった、と第1章を読んで感じた。彼は小学校のころから授業が退屈で飛び級はするし、自分で直接部品を注文し、周波数カウンターは作るし…。
彼は努力をしていないかというとそこまで言い切るわけではない。しかし彼は生まれながらにしてカリスマだった。
そんなカリスマの半生が書かれた伝記が正直この本が僕のためになるか否かは全く不透明だ。
それでも粘って読み進めようと思う。